先日は、京都にてご夫婦の撮影をする機会がありました。
開口一番、御主人から思わぬ言葉が。
「私はそもそもお葬式に遺影など飾るつもりもないのだ。」とのこと。
何故それでは、私たちをお呼びになったのでしょう?と頭の中が混乱しました。
「では、生まれる前の私の顔をとってくれ。それが、素顔というものではないかと思う」
まるで、禅の問答のようでした。
それでも、私は撮る意味があると思ったので、
「ぜひ撮らせて下さい!」とお願いしたところ、一瞬意表をつかれたかと思われるような表情になり
そのあと笑顔に変わりました。
無事に撮影終了。
その方から、学んだことは。私たちは単に写真をとって終わるのではない。
誰にも必ず訪れるエンディングがあるからこそ、今生きているということを実感することができる。
そういうことをこの遺影撮影を通して、伝えていくことが重要だということ。
生まれる前の顔ではないかもしれません。そもそも形がないのですから。
しかし、その方の本来もっている強いエネルギーに満ち溢れた感じが写真からよくわかる一枚を
選びました。きっと喜んでいただけることかと思います。
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