遺影は家族が、故人の生前の面影を想い起こしたり、お孫さん、ひい孫さんたちに語り継ぐための大切なお写真です。 いざという時、家族があわてないためにも、是非生前に、これが私のベストショット、という一枚を撮っておかれませんか。

2011年2月18日金曜日

京都での撮影。思わぬ発見。

先日は、京都にてご夫婦の撮影をする機会がありました。
開口一番、御主人から思わぬ言葉が。

「私はそもそもお葬式に遺影など飾るつもりもないのだ。」とのこと。
何故それでは、私たちをお呼びになったのでしょう?と頭の中が混乱しました。

「では、生まれる前の私の顔をとってくれ。それが、素顔というものではないかと思う」
まるで、禅の問答のようでした。

それでも、私は撮る意味があると思ったので、
「ぜひ撮らせて下さい!」とお願いしたところ、一瞬意表をつかれたかと思われるような表情になり
そのあと笑顔に変わりました。

無事に撮影終了。
その方から、学んだことは。私たちは単に写真をとって終わるのではない。
誰にも必ず訪れるエンディングがあるからこそ、今生きているということを実感することができる。
そういうことをこの遺影撮影を通して、伝えていくことが重要だということ。

生まれる前の顔ではないかもしれません。そもそも形がないのですから。
しかし、その方の本来もっている強いエネルギーに満ち溢れた感じが写真からよくわかる一枚を
選びました。きっと喜んでいただけることかと思います。

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